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・ LGBTの子どもたちが安心できる環境をつくる方法

「自分はLGBTかもしれない」「自分は周りの人たちとは違うかもしれない」と思っている子どもたちは、自分の悩みや困っていることを、どのように言葉にしたらいいのか戸惑うことがしばしばある。 また、誰かに話す(カミングアウト)には、往々にして、相当の勇気や心の準備が必要だ。LGBTの子どもたちはクラスに1人はいる。 彼らが安心できる環境を作るには、どうしたらよいだろうか。

LGBTの子どもたちが安心できるための2つの体制
 「カミングアウト」しなくても安心できる体制 
  相談/カミングアウトをされたときの体制


ここでは上記の2つの体制について、それぞれ前編と後編にわけて見ていこう。

前編:「カミングアウト」しなくても安心できる体制

研修ではよく「相談前対応」という言葉で呼んだりする。近年ではあっけらかんとしている子もいるが、 まだまだ多くの子どもたちは自分のことを話せる状態にない。
2000年代半ばに「FTM相談所」というウェブ掲示板(現在は廃止)のサポート隊として多くの中高生たちとやりとりをしたが、彼らは「掲示板に書き込むのもすごくドキドキした」「せいぜいできるのはメールまで」 で「電話で話そうか」「会おうか」と尋ねても躊躇されることが大半。 100人近くとやりとりし、深刻な20人とメールを交換し、会えたのは2人だった。

また中高生ではなく大学生を中心としたRainbow Collegeでも、 LGBTの多く集まる場には初参加というメンバーは、ファミレスのメニューを延々と見つめたり、 大好きなポケモンの話をずっとしたりと、「核心」に触れるまでにひたすら様子見を続けていることが多かった。

これが実状なので「LGBTの子どもたちが安心できる環境」を作るにあたっては 「大半の子たちは言わない」ことを念頭に置いて 「相談前対応」にしっかり取り組むことが重要だ。

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★ 学校の方針として
  「全ての子が、違いがあっても尊重される」と学校が公式なメッセージを出す
…特にLGBTやLGBTのようだとみなされる子どもは、いじめ被害のハイリスク集団であることからも、 学内のいじめ対策やハラスメント規定の中に「性的指向や性自認を理由としたハラスメントの禁止」という文言もいれられる。

 「男女別」がニガテな子たちの選択肢を確保する
…男女別の制服の着用や、トイレ・更衣室・入浴施設・健康診断の利用、男女別のカリキュラム等への参加が 困難な子どもたちがいることを前提に、子どもが事情を深く説明しなくても、これらの利用に際して不都合がなるべくおきないように 「入浴や健康診断は個別対応ができる」「車いす用トイレ/だれでもトイレは必要に応じてだれでも使用できる」などの体制を整える。また子どもたちにもアナウンスする。

★ 授業やクラスの中で
「LGBTをおとしめるような冗談」を無視しない

…誰が味方になってくれるか/そうでないかを、悩んでいる子どもたちほど、よく観察している。 無視せずに、肯定的なメッセージを発するチャンスとして活用しよう。 「すぐに/その場で/そのたびごとに、何回も伝えること」が、もっとも効果的に行動を変えると言われる。 一見、悪意を感じさせない「キャラいじり」の中に、LGBTをネタにしたやりとりが含まれることが あるが、「いじり」は容易に攻撃に発展するため、やはり注意が必要。

 授業の中で、LGBTの存在を意識した言葉を添える
…異性愛や「典型的な男女区分」に基づいた発言だけにならないよう、一言でもよいから添えよう。 保健や家庭科に限らず、国語や英語、社会科の授業などでもLGBTに関連する題材は扱える。 「いろんな人がいていい」という肯定的なメッセージを常に添えて、いざとなったら相談できる大人がいるサインを出そう。


★ 保健室、図書館の活用を
保健室にLGBTに関するポスターやチラシを置く
…調査によれば、学生時代に用もないのに保健室を出入りしていたLGBTは多い。 雑談が得意でも、自分のことを話すことが難しいこともよくある。 話せなくても、ポスターやチラシでLGBTについて肯定的な情報がそこにあることで、 「ここは安全な場所だ」というメッセージを伝えられる。

図書館に本を設置して紹介する
…現在、読みやすい本がたくさん出ている。このサイトでも何点か紹介しているので参考に。 悩んでいる本人が図書館で手にするには勇気がいるが本人の不安感は軽減され、 周囲の人々の理解を深める上でも重要な手掛かりとなる。

続く後編では、相談/カミングアウトをされたときの体制について見ていこう。

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*LGBT生活ガイド*

誰でもトイレ

私の母校である東京農工大学では、学生サークルと保健管理センターなどが協力して、学内環境の見直しを実施している。 サークルによる 「LGBT学生生活ガイド in 農工大」には 有益な情報が豊富。
他大学や中学・高校でも参考になるだろう。

*ポスターやチラシの入手方法*

図書館や保健室にオススメの書籍はこちらの右コラムを参考に。
学校用のポスターやチラシNPO法人SHIPさんPresenceシリーズが オススメです。リンク先から内容の確認と問い合わせが可能。

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